瀬戸内寂聴さんにまつわるあれこれ。アナザーストーリーズを見て
2/22のアナザーストーリーズは瀬戸内寂聴さんでした。
その生涯のおおよそは知っていたものの、最後にこんなオチともいえる事実があるのは知らず、少し驚きました。
寂聴さんが出家する前に最後に付き合っていた男性は井上光晴という妻子ある男性方で、
井上光晴さんの妻も夫が寂聴さんと男女関係にあることは知っていましたが特に波風立てることはなく。
寂聴さんが出家した後も交友関係は続いていたそうで、
井上光晴さんが亡くなった時にお墓が決まっていないということから 寂聴さんが自分自身の埋葬予定地の新潟の同じ墓地に墓を持つ事を提案され、奥様もそれを承諾したという事でした。
そしてその後 奥様もお亡くなりになられて同じ新潟のその墓地に埋葬されたということです。
もちろん井上光晴とは夫婦であるから同じ墓に入っているのだとは思いますが。
そして更には
その井上光晴の娘さん(井上荒野)はのちに女流作家になられてから
自分の父である井上光晴と寂聴との不倫を、自分の母である郁子さんの目線で書くという小説を発表されています。(郁子さん亡き後に)
井上光晴と寂聴さんとの不倫が始まったのは娘さんである荒野さんが5歳の時だったとの事です。
ほとんどその実態を知らなかった荒野さんは寂聴さんにもその内容を聞いたりしながら執筆をしたとおっしゃっていました。
そのことにも驚きは隠せませんでしたが何といっても寂聴さんが自分の愛した男を自分と同じ敷地に埋葬することで自分の愛を成就したように見えたこと。
そこに女の業や ちゃっかり感を感じながらも それを超越している心の大きさに、いい意味で驚かされました。
妻の郁子さんも寂聴さんとは戦友のような形になっていたようで、「夫の傍には寂聴さんと私の両方がいたほうがよろしいんでしょうから」と言って、この墓への埋蔵を決めたということでしたので親族が納得しているのですから何も問題ないのですが。
言葉に表せない深い愛情を感じます。
同じ男性を愛した女同士だからこの男を愛する不倫相手の女性の気持ちもわからなくもないないし、
寂聴さんが単なる不倫相手ではなく僧侶になってからは関係性も変わっていた事も、
この運びが完成した要因かとも思いますが
寂聴さんが僧侶となられたからこそ なしえた所業でないかと主観を持ちました。
何にしてもしあわせな男であるし
きっと魅力的な男性だったのでしょう。
この実談を知って、
寂聴さんの女の業と、それを超えさせる愛をまた新たにしたところでした。
その生涯、なんともあっぱれてす‼︎
(フリー素材から引用しました)