夫を在宅介護する妻の心の気づきブログ

脳疾患の後遺症で要介護4になった夫を在宅介護する妻の心の気づきブログ

一人で決めれる介護


友人(60才)は、
母ひとり子ひとりで他に親戚はいない。
彼女は独身で、生まれてからずっと実母と一緒に暮らしている。


彼女が56才頃から実母の認知症が進み出したが 実母が大好きな彼女は迷うことなく働きながらの在宅介護開始となった。



当時、うちの父も認知が段々と進み、
うちの場合は母は私達子供達への相談もなく、父をサッサと介護施設へ入所させてしまった。


まだ軽い認知症の父は帰宅願望が強く、本当にかわいそうで私は週1で施設に行き父をなだめていた。
何とか.たまにでも、自宅に帰してあげたくて母に相談するも、私が介護に関して介入するのを断固として断り続けた。
それは私の家庭を思っての愛情といえるかもしれないが、父に対しての鬼のような母の諸行には自分が父を引き取ろうかと思う程.胸が痛んだ。


そんな中 その友人の介護を見て、
誰に邪魔されることなく自分一人で介護の方針の全てを自由に決められる姿を、私は羨ましいと思った。
ひとりでする介護が どんなに大変なものかは在宅介護している今の自分には痛い程よくわかるが、それでも・それだけに父の対応には今でも悔いが残る。
亡くなり方も私にとっては母に遺恨が残る。



私も今、一人で夫の介護をしているが、誰に遠慮もいらないという訳ではない事情がある。
夫には前の奥さん(27年前に亡くなっている)との間に2人の子供(今は40代)がいるけれど、
東京から6時間離れた〇〇県在住で、距離もある事から最近は疎遠になっている。
また、同じ〇〇県には夫の兄弟も二人いる。



在宅介護が始まってから今までの.凄まじさも殆ど伝えてこなかったのだがそれにも訳があり、
この1年半の間、彼の親族からは電話はおろかメールも手紙でも.彼の様子を心配する便りが全くない事から、夫が失望し.連絡しなくていいということを優先してきた、という経緯がある。


しかしここへ来て、
いよいよ近い将来的.介護施設へ入所するかもしれなくなることから、お子さんとお兄さんの計4名に.それぞれ同じ内容の手紙を出した。
夫は私が動かなければ、自分の親族にも連絡をとろうとしないので。


その後 各人に連絡し.家族の意向を聞くことに..
この作業は私にとって とても気を使う作業で本当に気疲れした。
それでも何とか
手紙を出し、
意向を伺う、
というハードルを越えられた事は、 
またひと山こえられたと自分を労りたい。



結局、
わかってはいたものの、夫の施設入所に異議を唱える人など1人もなく.. 承認だけで。
サッパリとしたその対応に夫は本当に寂しそうで.. そんな夫を私も心底かわいそうに思った。


特段、夫の親子関係や兄弟関係が悪い訳ではないと感じるし、
実際 本人を見ていないから、こんなに悪い状態とは想像できない事も要因なのかとも察するし、6時間という距離もあることから(コロナ禍も)よっぽどではない限り介護の負担を申し出ることもないかと。



長々と事情を書きましたが
これでやっと、
私も誰に気兼ねなく
自分で(夫と共に)介護の方向性を決めれる事態になった.という訳で、
私の望みは叶った訳です。が


嬉しくもないし
悲しくもない。
今はそんな気持ちです。


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